表層汚染調査:表層汚染調査(土壌ガス調査)

 地質汚染の主な原因が地表部での事業活動によるものと考えられることから、表層汚染調査は、汚染物質の入口を捉える重要な目的を持っています。また、浅層地下水汚染から揮発した有機化合物を捉えられることもあります。
 また、『土壌汚染対策法』では、土壌状況調査として土壌汚染の有無の判定方法としています。

特定有害物質の種類 第一種特定有害物質
(揮発性有機化合物)
第二種特定有害物質
(重金属等)
第三種特定有害物質
(農薬等)







汚染のおそれがある土地 全部対象区画内の1地点 全部対象区画内の1地点 全部対象区画内の1地点
汚染のおそれが少ない土地 30m格子内の1地点 30m格子内の一部対象区画で複数地点均等混合 30m格子内の一部対象区画で複数地点均等混合
汚染のおそれがない土地 必要なし 必要なし 必要なし
調査方法 土壌ガス調査

深層部土壌溶出量調査
表層部土壌溶出量調査
表層部土壌含有量調査
表層部土壌溶出量調査

 第2種特定有害物質(重金属等)、第3種特定有害物質(農薬等)については、土壌試料を採取し、室内において分析を行いますが、第1種特定有害物質(揮発性有機化合物)は、名のとおり揮発性があることから、地層中のガスを採取して現地で分析を行うことができます。
 この土壌ガス調査(地下空気汚染調査)法としては、0.85m〜1m程度の小孔を設けて試料を採取する「穿孔を伴う方法」と地表部から直接地下空気を吸引する「穿孔を伴わない方法」考えられます。
 「穿孔を伴う方法」としては、『君津式調査法』や『土壌汚染対策法:環境省告示第16号』による方法があります。
 また、「穿孔を伴わない方法」のひとつとして開発されたのが『グラウンドエア・システム』です。


土壌ガス調査法

■利点

  1. 地下空気を原位置にて直接採取することから、地表近傍の地層の汚染状況を反映したガス濃度を捉えることができる。
  2. 地表部分の人工的な改変の履歴に影響されにくい地下空気汚染の情報が得られる。

■欠点

  1. 地下埋設物(水道管,ガス管,電気等)がある場合は、穿孔作業により地下埋設物に損傷を与えることもあり,位置決定に手間取ることもある。 また,地下埋設を損傷した場合,保証問題が生ずる。
  2. 穿孔に費用と時間がかかり、測点間隔を密にする場合、経済的な負担がかかることになる。

■従来からの方法(穿孔法)■

■グラウンドエア・システムによる方法(地表吸引法)■


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